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福沢諭吉伝説
佐高信 著 角川学芸出版 08年10月発行
(購入:東京堂書店)

慶應大学卒の佐高氏による、福沢諭吉評伝。
昨年佐高氏による西郷隆盛の評伝が出た時には驚いたが、福沢のほうがまだ納得できるか。
福沢諭吉という人について、その著作は一冊も読んでいないし、「一万円冊の人」くらいの認識(一般的か?)しかない…ので、いいとも悪いとも言えない。
ただ「脱亜入欧」論についてはやはり疑問を感ぜざるを得ない。

佐高氏はこの著作の最後で、「脱亜」論は福沢の手によるものではないとの説をとる。
更には、仮に福沢の説であったとしても、金玉均を助け支えた行動によりそれを覆せる、としている。

この本の中で一番面白かったのが北里柴三郎と福沢との関わり。
殊に北里が東大から迫害された経緯。その急先鋒が森林太郎…つまり森鴎外であるというのが非常に興味深かった。
森鴎外が大文豪であることに変わりはないが、軍医としての権威主義、また人間としてどうなのかといったときに、その評価は大きく覆された。

10月16日、東京堂書店で、この本の出版を記念して佐高信氏と姜尚中氏との公開対談があった。
仕事が終わってから18時開演には間に合わないので、午後有給休暇をとった。

テーマは「近代日本とアジアを考える」。
姜氏のことを佐高氏は著作の中で「ヨン様かカン様か」と冷やかして書いている。
テレビにもよく出るらしい姜氏は女性に大変人気があるらしい。
会場に入ってきた姜氏は背が高く、知的な雰囲気にあふれている。
なるほど女性に人気というのも頷ける。
また、その語り口は穏やかで冷静、低めの声だが聞き入らせる。

松下竜一が福沢のまたいとこの増田宗太郎の評伝を書いている、といったところから話がはじまった。
時折脱線しつつもほぼテーマに沿って話しはすすむ。
対談の重要なキーワードのひとつは「惑溺」。
福沢の「文明之概略」の中に「惑溺せず」とあるらしい。
このときの対談に「惑溺しない」ということが何度も出てきた。
この本の中にもあるし、またこの日買った姜氏の対談集の中、筑紫哲也氏との対談の中にもその言葉が出てくる。これは偶然であろうが。
「惑溺」しない生き方、というのは案外難しいのかもしれない。
そういう生き方をした福沢を佐高氏は「平熱の思想化」と評し、姜氏は「常温動物」だといった。

人は何かに夢中になれば周囲が見えなくなりすぐに惑溺しがちであろうし、カッとしたり落ち込んだり変温をくりかえし、常温(=平熱)を保つことは難しい。
佐高氏は著作の中で激昂していたりして、平熱でいるとはとても思えない部分がある。
勿論ファンとしてはそれでいいのだが。
むしろ姜氏のほうが常に冷静で平熱を保っているように思える。
現代における平熱の思想家は姜氏にこそその名がふさわしいのかもしれない。
| sirome | 読了記 | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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