晴猫雨読

晴れの日には猫を追いかけ 雨の日には書に親しむ
「セイビョウウドク」な日々
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ご臨終メディア
森達也・森巣博 共著 集英社新書 05年10月15日発行
(購入:ブックオフ)

サブタイトルに「質問しないマスコミと一人で考えない日本人」。
森巣氏は在豪のギャンブラーにして作家。
メディアの中にいながら常にそのあり方に疑問を持っているように見受けられる森達也氏との対談は非常にスリリングで面白く読めた。
特に森巣氏の発言が抜群にさえている。

対談のしょっぱな、森巣氏は言う。
『自殺サイトで知り合い、山奥の車中でウィンドーに目張りして練炭焚いて死ぬなんて、お前らバカか。死ぬときぐらいは、「世間さまにご迷惑をおかけする」死に方を選べ』
いいなぁ、この発言。
日本じゃ「立つ鳥後を濁さず」って言って、死ぬときだって、後に残る人に迷惑がかからないように…というのが美徳と考えられているのを、あえてこう言う。

タイトルにあるように瀕死の状態ともいえるメディア批判の本。
まずだめな原因にテレビ局・大新聞の社員が高給取りであることをあげる。
確かに。それは私も常にそう思っていた。
ネットカフェ難民や派遣を朝日新聞がとりあげる。それはとても大事なことではある。
しかしその記事を書いている記者が、取材相手の切実さをどこまでわが身に置き換えて考えることができるかといえば、甚だ疑問を感ぜざるを得ない。
私が大学4年で就職活動をしていた当時、多くの企業が初任給16万〜18万と出していたなか、確か朝日新聞と読売新聞は初任給24か25万円だった。
対談の中で、テレビ局社員の年収は全上場企業平均の2.5倍とある。
俗に銀行、証券、保険会社が給与が高いというけれど、そんなの比じゃないわけだ。
さらに2ちゃんねるに書き込みする連中の年収は推定300万円以下との説があるとして、大手メディアの連中の年収のレベルをそこまで下げろ、と。
笑った。そして賛成だ。
森巣氏はこのことにこだわっていて対談中何度も発言して、森氏に「やっぱりそこか」と笑われている。


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「愛国」問答
香山リカ・福田和也 共著 中公新書ラクレ 03年5月10日発行
(購入:ブックオフ)

副題に“これは「ぷちナショナリズム」なのか”とあるとおり、02年に「ぷちナショナリズム症候群」を書いた香山氏が「ぷちナショ」どころか本流となりつつあるナショナリズムについてを右派論客福田氏と語らったもの。

福田氏の著作は読んだことがなかったが、確かに知識は豊富な人のようである。
ただその「とっちゃん坊や」的容貌どおりの「オタク」ではやはりあるのだなという印象が…
全然関係ないが何かで作家の笙野頼子氏の風貌を「女装した福田和也」と書いてあって、爆笑してしまったことも思い出した。

気鋭の文芸評論家と医師の対話らしくアカデミックに進んだかと思うといきなりサブカルに反れていったりしてなかなかに面白くは読めた。
相手が香山氏だったからかもしれないが、福田氏は思ったよりはコチコチの右派ではないのかな、という印象だった。

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ルポ 改憲潮流
斎藤貴男 著 岩波新書 06年5月19日発行
(購入:ブックオフ)

「国民投票法」が制定されるなど改憲への道筋は確実につけられている。
この本は改憲へと動き出す流れ=潮流に警鐘を鳴らすべく著されたもの。
発行時点ではまだ「国民投票法」は可決されていなかった。
この本の発行の翌年、07年5月に参院本会議で可決されてしまった。
それもやはり小泉の置き土産である。
こんな暴挙は衆院での自公圧倒多数が存在しなければありえなかった。
「郵政民営化」の賛否だけを問い、圧倒的勝利を収めた政府自民党は、郵政とは関係ないこういった法案を次々通していった。
小泉新自由主義のもたらしたものがいまの「貧困」だと批判する向きは多い。
いまさらではあるが、確かにそうだ。
しかし小泉の罪、いや小泉を勝たせた有権者の罪は、改憲に道筋をつけたことのほうがより重い。
もしこの流れを食い止めることができず、改憲され、戦争できる国となってしまい、そして国民が戦争で死ぬようなことになってようやく、小泉の責任を云々するのだろうか。
未曾有の大不況と失業者のあふれる今の状況になってはじめて、小泉新自由主義を批判するように。

この本は従来の「護憲本」とはちょっと毛色が違う。
斎藤氏が追及し続けている「監視社会」という観点から入る。
さらに自衛隊を外に出したいというのは「財界の意思」であるということ、また靖国問題をからめて問うていく。
また改憲の潮流を作るジャーナリズム、もともと改憲を訴えてきた読売はもとより、変節を重ねてきた朝日新聞をより追及する。
若宮論説主幹へのインタビューは興味深い。
「そもそも政治が本気で憲法を改正する気があるのか」
「国民の意識はまさに多様で、あのような案に収れんするとは思わない」
若宮氏の見解はあまりにも甘い。それこそ「本気で言ってるのか」と思える。
あげく、斎藤氏の追及に
「憲法を改正しなくても、たとえば日米安保の運用などで、改憲派が障害とみる問題もクリアできてしまう」
この言葉を引き出した斎藤氏はさすがだ。
「朝日新聞」と論説委員のトップの見解がこれだというのだ。
朝日新聞の社説は若宮氏が主幹になってから明らかに変わった。

朝日新聞は戦時中に新聞が結果として戦争の片棒をかつぐようなことをした反省はないのか。
いま、改憲の片棒をかついでいいのか。
朝日新聞の変節の罪は重い。
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小泉純一郎と竹中平蔵の罪
佐高信 著 毎日新聞社 09年2月25日発行
(購入:書泉グランデ)

年一回出版される「政経外科」シリーズも11冊目。
毒舌と権力者へ向ける刃の切れは些かも衰えてはいない。
タイトルで小泉と竹中を断罪しているが、内容が古いわけではない。
巻頭の「ギルティ・ペアの小泉と竹中」は書き下ろしである。つまり小泉政権後首相が3代変わってもなおかつ、その2人の罪は重く消えることはないといっているのだ。
今頃になってこの大恐慌の原因を作ったのは小泉改革だとメディアも言い出しているが、そんなことはわかり切ったことではなかったか。
佐高氏はじめ週刊金曜日に登場する論客は小泉への期待に沸き立つさなかにも常にその危険を訴えていたのだ。
小泉を持ち上げたメディア自身の責任と祭りに浮かれた有権者の責任こそが問われるべきである。
少し前に共産党人気が高まっているという朝日新聞の記事の中で、小泉政権当時は自民党に投票したが、派遣切りにあって困窮し助けてくれた共産党の党員になったという若者が出ていた。馬鹿かお前は、といいたい。そういう連中が少なからずいるように思えてならない。何も考えずに小泉を支持し、火の粉が自分にかかってきてはじめて政治に怒る。それこそそういう連中が好んで使っていた「自己責任」ってやつじゃないのだろうか。
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ぷちナショナリズム症候群
香山リカ 著 中公新書ラクレ 02年9月発行
(購入:ブックオフ)

02年に開催されたサッカーの日韓ワールドカップ時に感じた「違和感」から書かれたような本。発端は故ナンシー関の予言的コラムだったという。
ナンシーや香山氏がこういった違和感を感じ、書いていたとは恥ずかしながら知らなかった。週刊金曜日以外にも批判する向きはあったのだな。

W杯開催のとき私の違和感と嫌悪感は絶頂になっていた。
あろうことか購読している朝日新聞はその公式スポンサーとなり、新聞記事は異様な熱の入れよう。あのときは本当に朝日の購読をやめようかと思ったほどだ。

私がまず違和感を抱いたのが仏大会の予選のあたりからだったと思う。
戦前の国威発揚もかくやの雰囲気。
そして試合前の君が代。胸の日の丸に手をあて、目を閉じ歌う選手。そして恍惚としてそれに倣うサポーター。何故何の疑問も違和感も抱くことなくそれができるのか。
歌手たちは「一世一代の晴れ舞台」とばかりに独唱に次々と臨む。
激しい嫌悪感を抱いた。
もともとスポーツ中継は好きだった。しかし日韓開催前の狂騒に嫌気がさし、02年の大会のテレビ中継は1試合も見なかった。
そしてそれ以後、W杯、オリンピックは1つも見ていない。新聞記事も読まない。

試合前に君が代を歌うこと、熱狂的に応援すること。
それに違和感と危機感を抱くとは大袈裟な、と思われるかもしれない。
彼らはそれほど重く考えているわけではないのだ、と。
そのお手軽、お気楽なナショナリズムを香山氏は「ぷちナショナリズム」と名づけた。
氏は、W杯の狂騒だけではなく、齋藤孝氏の「声に出して読みたい日本語」のブームや石原慎太郎人気などをとりあげ、お手軽ナショナリズムに疑問を呈している。
それから7年、若者の「日本が好き」的お手軽ナショナリズムはより進行しているように思える。
香山氏の炯眼に敬意を表したい。
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証言 村上正邦 我、国に裏切られようとも
魚住昭 著 講談社 07年10月10日発行
(購入:ブックオフ)

KSD事件で01年に逮捕・起訴された村上正邦氏の聞き書き。
村上氏については「週刊金曜日」の連載「国策捜査」でもとりあげていた。

参院のドン、成長の家信者、右派団体「日本会議」、国旗国歌法制定の立役者。
村上氏のイメージはことごとくよくない。
取材者の魚住氏からしてその立ち位置はまったく逆だろう。
しかしその正反対な魚住氏に誠実に語った村上氏、そして思い込みを排し徹底的に聞くことに徹した魚住氏の取材力によって、何故現在のように「右派」勢力が台頭しハバを利かせるようになったかが浮き彫りになってくる。
考え方がまったく違う人物の語りであるが、非常に面白くあっという間に読めた。
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ゴールデンスランバー
伊坂幸太郎 著 新潮社 07年11月30日発行
(購入:ブックオフ)

昨年末の「このミステリーがすごい」1位の作品。
ミーハーだけれど、面白そうだったので読んでみた。
この作者を読むのは初めてで、文章がちょっと読みづらい感じがしたが、ド真ん中のストレートのエンターテインメント作品、途中からはイッキ読みの面白さであった。

主人公・青柳雅春は突然首相暗殺の犯人の濡れ衣を着せられる。
まったく身に覚えがないのに、TVのニュースには犯人として自分の顔が流れ、目撃者証言者が次々映し出される。無実を訴えることもできず、警察に追われる。自分の姿を見たとたんいきなり発砲する警官。逃げ切れるのか?

現在と過去が交錯しながら話は展開する。
メディアが流す犯人像に、友人たちは自分の知ってる青柳雅春とは違う、と感じる。
過去の記憶、それが伏線となって…

「このミス」1位は伊達じゃなかった!
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英雄の書(上下)
宮部みゆき 著 毎日新聞社 09年2月15日発行
(購入:書泉グランデ)

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老後がこわい
香山リカ 著 講談社現代新書 06年7月20日発行
(購入:ブックオフ)

上野千鶴子氏のベストセラー「おひとりさまの老後」より先に書かれた女性の老後を問う問題作。
上野氏の考える老後が明るく楽観的であるのに対し、香山氏のそれは悲観的である。
上野氏は著作の中で香山氏や酒井順子氏があまりに悲観的の老後を考えすぎていると述べていたが、香山氏がこの本の中で自身がマンションを借りるのに苦労した話などを例に女性がいかに住居を確保することさえ大変かを書いている。
医師である香山氏は社会的ステータスも高いし年収だっていいだろう。なのにマンションの「貸し渋り」に合うというのだ。
だとすれば高齢のひとり暮らしの女性ともなればその厳しさは推して知るべしというところだ。貯蓄があってもそうなのだとすれば年金暮らしのひとり住まいはいかばかりか。

更に香山氏は親やペットに依存する自らの心情を告白し、その死の恐怖を語る。
精神科医であり、自立した女性と見受けられる香山氏がそうなのか!と驚くばかりであるが、「パラサイトシングル」というコトバを引くまでもなく、そういった傾向は全体に増えているのではなかろうか。
例えば就職氷河期世代の若者…といってももはやその世代も30代、若者とはいえなくなっているのだが、その世代がフリーターやニートでもかろうじてネットカフェ難民にならずに済んでいる層は紛れもなく親に依存することができているからだろう。
終身雇用・年功序列の団塊世代までの親がしかもサラリーマンをやっていたのならば、子は親に依存して生きていける。しかしその親が老い、いよいよ…となったときはどうなるのか?
若い世代ほど老後はこわくなっていくのかもしれない。
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王様は裸だと言った子供はその後どうなったか
森達也 著 集英社新書 07年8月22日発行
(購入:ブックオフ)

そのまんまのタイトルである。
裸の王様のその後のストーリー。
「空気が読めない」(?)その子供、果たして英雄ななおか反逆者なのか…

表題作他、古今東西15の物語のパロディ。
これがなかなかウィットに富んでいて笑える。
昔話のハズなのになぜか背景が現代日本のようであったりして。
御伽噺の登場人物たちの口から「憲法21条」だの「靖国」だの「二世議員」なんてコトバが飛び出して、爆笑の連続。
風刺と毒の効いた痛快な1冊。雑誌連載時には掲載されたものの、新書化にあたって落とされたのもあるという。残念!全部読みたかった!
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